結婚式を控えたアイちゃんとサムくんが結婚式の準備をする中で出てくる「音楽の著作権」の疑問を、弁理士の城田先生がわかりやすく解説します。

No.011結婚式の音楽著作権 ~おさらい編~

2018年3月13日
結婚式の音楽著作権 ~おさらい編~ 迎賓、入場
  • 最近では、そのシーンに合わせて音楽を選びたいという希望が目立ち、自分でセレクトした曲をCD-Rにまとめて焼いてBGMとして会場で流すことが増えています。

  • そうなんですね。
  • この場合、1枚のCD-Rに複数の楽曲を複製(コピー)し、自分でオリジナルのコンピレーションアルバムを作るようなイメージとなります。
  • たしかに!
  • このような音楽の利用には、楽曲の「著作権」と、レコード会社等の「著作隣接権」について、それぞれの「複製権」の手続きが必要です。
  • これは以前も教えてもらいましたね。
  • はい。また、複製したCD-Rを会場で流すことで著作権の「演奏権」が働きますが、手続きは各会場が行っている場合がありますので、会場へ確認が必要です。
  • 音楽を流すときはまた別の権利が関わるんですね。
  • 中には、生演奏でお客様をお出迎えするケースもあるでしょう。その場合は演奏権だけを考えれば良いということになります。
  • なるほど!
  • このように、会場BGMとして音楽を利用する際は、著作権と著作隣接権の複製権、著作権の演奏権に注意しましょう。
  • わかりました!
  • 次に、ムービーに関連する音楽の利用を考えてみましょう。
  • 結婚式の音楽著作権 ~おさらい編~ ムービー上映
  • 結婚式では、新郎新婦のお色直しや、余興の時間を使ったムービー上映での音楽利用もよくある使われ方です。
  • 映像と音楽がマッチしていると盛り上がりますよね!
  • この場合、選んだ楽曲をムービーに複製しますので、著作権と著作隣接権の「複製権」が働き、上映するときは著作権の「演奏権」が働きます。
  • BGMで使うときと同じ権利が働くんですか?
  • そうなんです。結局、音楽のみをCD-Rに焼く場合も、ムービーに音楽を付ける場合も、複製という行為は同じですので、働く権利にも手続きにも違いはないのです。
  • そうだったんですね!
  • なお、ムービーに楽曲を入れず、購入したCDを別途会場で流す場合や、生演奏をする場合は演奏権に注意しましょう。
  • わかりました!
  • いかがでしたか?注意するポイントは実はそんなに多くはありません。適切に手続きをして、晴れの日を素晴らしい音楽で彩ってくださいね。
  • はい!先生、ありがとうございました!

今回のまとめ

市販CD音源を複製する場合は、著作権と著作隣接権の複製権について手続きが必要です。生演奏やCDを再生するときは、著作権の演奏権の手続きについて会場へ確認しましょう。