No.004結婚式で思い出のCDをかけたいけど著作権だいじょうぶ?
2017年1月25日-
さて今回はコピーしたCDではなく、自分たちで持っている市販のCDを式場で再生しようと考えているんですね。
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はい。このような場合は著作権の手続きは必要なんでしょうか?
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その解説をする前に二人に覚えておいてほしいことがあります。
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なんでしょう?
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これまで何回か「著作権」についてお話をしてきましたが、実は「著作権」はいくつかの権利の集まりであると知っていましたか?
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知りませんでした…。詳しく教えてください!
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「著作権」という権利の中には、著作物の利用方法ごとに個別の権利が詳細に定められています。
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どういうことですか?
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例えば「CDから音楽をコピーする」という利用には「複製権」という権利が働くように、著作物の利用方法によって関わる権利が異なります。
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ふむふむ……
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その他にも、著作物を演奏・上演することに関する権利は「上演権」、著作物を放送・配信することに関する権利は「公衆送信権」というように著作権の中には様々な権利が存在しています。
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そうだったんですね。
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権利が複数に分かれ個別に独立していることからそれらの権利を「支分権(しぶんけん)」と呼ぶため、著作権のことを「支分権の束」と言うこともあるんですよ。
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なるほど!
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では話を戻して、式場でCDを再生するときの注意点について解説をしていきますね。
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よろしくお願いします!
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結婚式などの公の場でCDを再生するときには支分権の中の「演奏権」の手続きが必要となります。
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前回も出てきた「演奏権」ですね!
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演奏権とは「コピーを使わずに公衆に伝えることに関する権利」であり、「無断で公衆に上演・演奏されない権利」です。
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これは曲を作った作詞家さん・作曲家さんが持っている権利ですね。
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そうです!著作権者である彼らは、著作物を公衆に見せたり聞かせたりする権利を独占しているので、私たちが公衆に向けて著作物を演奏するには著作権者の許諾を得なければいけないんです。
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でも、CDをかけるだけなのに「演奏」ってどういうことだろう?
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著作権法の「演奏」には、『著作物を演奏してそれが録音されたものを再生すること』も含まれますので、生演奏以外にもCDに録音された音楽を流すことは演奏に該当します。
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なるほど……だから手続きが必要なんですね!
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ちなみに、ほとんどの式場やホテルはJASRACに対して演奏権の手続きをしていますので、別途個人で手続きをする必要はありません。
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式場やホテルも事前に手続きが行われているんですね。
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はい。しかし、手続きが行われているとしても式場やホテルによってCDを再生するときの対応が異なる場合があるのであらかじめ相談しておくと安心ですね!
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わかりました!先生、今回もありがとうございました!
今回のまとめ
結婚式でCDをかける時、式場が事前に演奏権の手続きを行っていれば問題ありません。しかし式場によって運営方針は異なるので、あらかじめ相談しましょう!