No.001楽曲が持っている権利ってどんな権利があるの?
2016年10月12日- アイちゃん、良いところに気がつきましたね!
CDに収録されている音楽には、著作権や著作隣接権などの権利が含まれているため、手続きしないでコピーするのは問題です! - やっぱりダメなんですね!
でもどうして問題なんですか? - まずはCDに収録された音楽にどんな権利があるかお話ししますね
- おねがいします!
- CDに含まれる権利は「著作権」と「著作隣接権」に大きく分けられます
- 著作権なら聞いたことあります
- では著作権からお話しますね
著作権は「著作(財産)権」と「著作者人格権」という二つの権利に分けることができます - 著作権の中にもいろいろあるんですね
- 楽曲の作詞家や作曲家など著作物を創作する「著作者」は、2つの権利を持っているの
- 私たちはなにげなく「著作権」って言ってたけど、作詞家さん作曲家さんの権利だったんですね
- そうです。なので音楽が収録されているCDには、その作詞家作曲家の著作権が含まれるのです。
- なるほど!
- では、次に「著作隣接権」についてお話しましょう。
楽曲を歌ったり演奏したアーティストや、そのアーティストの演奏を収録して音源化したレコード制作会社は「著作隣接権」という権利を持っています。 - 「ちょさくりんせつけん」
…なんだか難しい言葉だね。 - アーティストやレコード会社は、著作者が創作した音源を世の中に広める役割を担っていますよね?その役割を評価し、「著作権に隣り合った権利」として著作隣接権という名前がついているんです。
- そういう意味があったんですね。
- 著作隣接権があることによって、彼らがその権利から収入を得て今後も音楽CDを制作していけるよう、財産権的側面からも保護をしているのです。
- 収入がなかったら新しいCDは作れませんもんね。
- ちなみに、そのCDをテレビやラジオ・有線で流す放送事業者・有線放送事業者も、同じように著作物を広めますので、著作隣接権者になるんですよ!
- 色々な人が権利を持っているんですね!
- また、アーティストは、その行為が創作的側面も併せ持つため、実演家人格権という権利も持っています。
- みんな、それぞれの立場で権利が保護されてるんだなあ
- 話を最初に戻しましょう!サムくんはアイちゃんとの結婚式で流すために、自分が購入したCDの音源をCD-Rにコピー(複製)して利用しようとしていますよね?
- はい!2人の思い出の曲なんです。
- さて、ここにどんな問題があるのか?・・・もうお分かりですね!
- はい!
- 自分の所有CDであっても、そこに収録されている音楽には著作権と著作隣接権が存在しています。そのため、複製に関する権利者の許諾なくコピーをすることは問題なんです。
- 自分が音楽を聴くためにコピーするのもダメなんですか?
- 個人で楽しむためのコピーなら「私的使用のための複製」(著作権法第30条)として、権利者の許諾を得ずに利用することができますが、たくさんの人に音楽が上映・演奏される結婚式では、「私的使用のための複製」にはならないんです。
- なるほど!個人で聴くのと、大勢に聴かせるのでは違うんですね!
- 複製する場合はそれぞれの権利者に手続きをし、正式な許諾を得てから利用するようにしましょう!
- CDの曲にはいろんな人が様々な権利を持っているのがよく分かりました!
先生、ありがとうございます!
今回のまとめ
結婚式で流す音楽は、著作権と著作隣接権それぞれの権利者に手続きをし、正式な許諾を得てから複製しましょう!